「介護職が給料を上げるには、夜勤回数を増やすしかない」 そう諦めていませんか? 確かに夜勤手当は即効性のある収入源ですが、体力には限界があります。
実は、2024年から2025年にかけての制度改正により、「どこで働くか」で年収に100万円以上の差がつく時代に突入しました。今回は、夜勤だけに頼らず、国の「処遇改善加算」を最大限に給与へ還元させる戦略を解説します。
1. 「処遇改善加算」が一本化。あなたの職場はどのランク?
2024年6月から、複雑だった3つの加算が「介護職員等処遇改善加算」へと一本化されました。ここで注目すべきは、施設が取得している**「加算区分」**です。
- 新加算Ⅰ(最上位): 最も高い加算率。キャリアパスや職場環境の整備が「厳しい基準」で求められます。
- 新加算Ⅳ〜Ⅴ(下位): 2025年以降、下位区分は廃止・統合が進み、これらしか取得できていない施設は**「賃上げに消極的」**と言わざるを得ません。
【厳しいチェック】 自分の職場の加算区分を知っていますか? もし最上位の「加算Ⅰ」を取得していない施設なら、その時点であなたは年間数十万円単位の損をしている可能性があります。
2. 2025年12月からの「3階建て賃上げ」を使い倒す
2025年末から、さらなる賃上げ支援(最大月額1.9万円相当)が始まります。しかし、これは全職員に一律で配られるわけではありません。
- 1階部分(月1万円): 処遇改善加算を取得している幅広い職種が対象。
- 2階部分(月5,000円): **「生産性向上(ICT活用など)」**に取り組む事業所の介護職のみ。
- 3階部分(月4,000円): 職場環境改善に取り組む事業所が対象。
つまり、**「古い体質のまま、紙で記録をつけている施設」**にいるだけで、2階部分の5,000円(年間6万円)をドブに捨てていることになるのです。
3. 夜勤以外で「基本給」を底上げする3つの戦略
夜勤手当は「変動給」ですが、加算をうまく利用すれば「固定給(基本給・手当)」を上げられます。
① 「経験・技能のある介護職員」の枠を狙う
特定処遇改善加算の流れを汲むルールでは、**「勤続10年以上の介護福祉士」**など、技能のある職員に手厚く配分することが推奨されています。 もしあなたが資格を持っているのに、無資格の新人と同じような加算額しか貰えていないなら、その施設の「配分ルール」は不適切かもしれません。
② 資格取得支援を「金」で選ぶ
「資格取得を応援します」という言葉に騙されないでください。
- 良い職場: 受験料・テキスト代全額負担 + 研修日は「出勤扱い(給与あり)」。
- ブラックな職場: 費用は自腹 + 研修は「休日」に行かされる。 この差だけで、資格取得までにかかるコストが20万円近く変わります。
③ 「見える化」している職場へ移る
優良な施設は、加算をどう配分しているかをスタッフに書面で開示しています。逆に「加算がいくら入っていて、どう分けたか」をブラックボックスにしている職場は、経営陣が搾取しているリスクがあります。
結論:体力勝負の「夜勤」から、制度を活かす「転職」へ
「夜勤を増やして月収を3万円上げる」のと、「制度が整った職場へ移って基本給を3万円上げる」のでは、5年後、10年後の疲弊度と生涯年収が全く違います。
2025年は、介護職にとって**「制度を理解している人だけが得をする」**シビアな年になります。
もし今の職場の給与明細を見て、「処遇改善手当」の低さに疑問を感じたら、それはあなたの努力不足ではなく、**「施設の経営努力不足」**かもしれません。
編集部からのアドバイス
まずは、今の施設が**「新処遇改善加算のどの区分をとっているか」**を管理者に確認してみてください。答えを濁されるようなら、その職場に長く留まる価値は低いと判断して良いでしょう。
